孤独剣

 戦国の騒乱も終わり、いよいよ徳川家光の治世となり庶民には平安というものが広がっていった
 武家の間でももはや合戦など起ころうなどとは誰も考えもしなくなり政治向きの能力が重んじられてきたが完全に兵法といわれるものが廃れたわけではない
戦国の世を知る大名も多いとはいえないまでも存命しており、その中では戦乱の時代と同様に武技を重んじ、兵法を好む、所謂「兵法好き」と呼ばれる大名もいた
甘木藩藩主坂下上条守重正もその1人だった